『M字ハゲ』を検索すれば、"治す方法"とやらはいくらでも出てきます。ですが――「それまでの毎日をどう戦い抜くか」を語る者は、どこにもいません。
侵攻に気づいて8年。歴戦の装備(薬)もギルドの薬湯(シャンプー)も一通り試してきた36歳の勇者が、いま現在進行形で貫いている「M字ハゲとの付き合い方」をここに記します。治療の記録ではありません――生き様の記録です。
髪型はセンターパート一択になりました
Mの切れ込みは分け目で自然にカバーできます。「隠している感」が出にくいセンターパートが、8年戦線に立ち続けているメイン装備です。
結論から言いましょう――僕の髪型はセンターパート一択です。前髪を下ろせば、風が吹いた刹那にMの切れ込みが露出し「隠している感」が最大限に露呈します。センターパートなら、分け目から左右に流れた髪がMの切れ込みに自然にかぶさり、姿を消します。しかも多少乱れても「分け目のある髪型」として成立しますから、隠していた落差が一気にバレる事故は起きません。

ギルド(美容院)では正直に申告します。「M字ハゲで若干薄いので、それを隠せる髪型にしたいです」。最初は口に出すのが気まずかったのですが、今はもう完全に慣れました。プロに事情を伝えた方が、仕上がりは確実に良くなります。
最近は、前で戦えない分、襟足を伸ばしてウルフカットにする実験もしています。最前線が崩れたなら、後方から支えればいいのです。

センターパートのセット手順(スタイリング剤なし)
スタイリング剤なしでも、ドライヤーで分け目をしっかり作れば十分にカバーできます。ポイントは分け目の高さ(盛り上がり)です。
参考までに、僕の毎朝の儀式手順を記しておきます。道具はドライヤーのみ。スタイリング剤という装備は使いません——ベタつくのと、僕の場合は頭皮がかゆくなるからです。
後ろから前へ乾かします
シャワーのあと、ドライヤーで後ろから前へざっと乾かします
くせ毛部分を指で直します
癪毛でくるくるしている部分だけ指で直します
分け目をしっかり作ります
8割乾いたら真ん中にドライヤーを当てて分け目をしっかり作ります
真ん中を少し盛り上げます
ぺたっと分けるのではなく、真ん中が少し盛り上がる(ふんわりする)形にするときれいに見えます
要は4番目が全てです。分け目がしっかりしていて真ん中に高さがあると、Mの角にかぶさる髪の流れが自然に見えます。
M字ハゲが「気になる場面」ランキング
気になる場面は風・写真・照明・朝・入浴の5つです。中でも「人と行く風呂・プール」は8年経ったいまも攻略できていない最大の壁です。
この最前線に立つ者が、どんな場面で生え際を気にしているか——僕の実感で並べてみます。

・風の強い日——前髪が上がります。片手が自然と額に伸びます
・写真を撮るとき——特に屋外。集合写真は正直身構えます
・蛍光灯・明るい照明の真下——影で最前線がくっきりします
・朝の身支度——起き抜けの前髪のスカスカ感で現実に引き戻されます
・お風呂とドライヤー——後ろから前に髪を持ってくる瞬間の虚しさです
そして最大の難関が「人と行く風呂・プール」です。濡れた前髪はごまかしが効きません――これだけは、いまだ攻略できていません。正直、プールは今も行けていません。これが僕の最大のコンプレックスです。



それでもやめられない「儀式」
鏡でMの切れ込みを確認する癖はやめられません。だから「落ち込むための点検」ではなく「次の判断につなげる観測」に意味を変えました。
鏡を見るたび、Mの切れ込みを隠すように前髪をちょちょっと整えます。シャワーの後は前髪をガバッと上げて、「また最前線が下がったか」と全体をチェックします。やめたほうが精神衛生にいいのは分かっています――ですが8年続いたこの儀式は、もうやめられません。


だからせめて、この儀式を「観測」に変えることにしました。ただ落ち込むための点検ではなく、記録して、状態を把握して、次の判断(僕の場合は植毛という最終装備)につなげるための点検だと思うことにしています。
唯一の後悔は「見なかったことにした」時間
気づいた直後に目を逸らして何もしなかった時間が、一番の後悔です。AGAは進行性で、放置で自然に止まることは基本的にないとされています(出典1)。
気づいた直後、僕は現実から目を逸らしてしばらく何もしませんでした(第1話)。いま一番悔いているのはそこです。AGAは進行性で、放置で自然に止まることは基本的にないとされています(詳しくはM字ハゲとは?の記事)。

隠し方も、気になる場面のしのぎ方も、あくまで対症療法です。並行して「自分の状態を把握して、合う対策につなげる」こと。それが8年かけてたどり着いた、僕なりの――いちばん大事な戦い方だと思います。
対症療法には限界があります。「隠す」だけでずっと戦い続けるのがつらくなってきたら、一度立ち止まって、自分がどっちのルート(進行を止める/一気に取り戻す)に向いているかを整理してみてほしいです。
Lv.36(年齢)
職業: 会社員(兼・薄毛と戦う者)
装備: センターパート/手鏡/メディクイックH
習得スキル: 美容院で正直に頼む/儀式を観測に変える
現在のクエスト: 植毛資金を貯める(達成率 0%)
称号: 「センターパートの民」
※この記事は個人の体験・感想です。症状・効果には個人差があります。このページ自体に広告は含みませんが、リンク先には広告を含むページがあります
参考にした情報源
出典1: 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」(PDF)——AGAの進行性に関する記載を参照。
あわせて読みたい
-
-
M字ハゲに似合う髪型——当事者が実際に試した髪型だけを正直に
M字ハゲに向く髪型・向かない髪型を比較表で整理。実際に8年使ったセンターパートと、最近試し始めたウルフカットは詳しく、未経験の髪型は一般論として正直に区別しました。
続きを見る
-
-
M字ハゲでセンターパートはアリか——8年やってる36歳の、スタイリング剤を使わないセット手順
M字ハゲとセンターパートの相性がいい理由から、スタイリング剤を使わないドライヤーだけのセット手順4ステップ、決まらない日の失敗パターンまで。8年間センターパート一択で生きている36歳の当事者が、毎朝の手つきのレベルまで分解した。
続きを見る
この記事の根拠(最終確認日:2026年9月10日)
この記事の数値と制度の説明は、下記の一次情報を確認して書いています。料金は改定されるため、申し込み前に必ず公式ページでご確認ください。
※効果には個人差があります。本記事は診断・治療の代わりになるものではありません。






